20200207 三遊亭遊かり勉強会「ゆっくり遊かり」@神田連雀亭

前日の「SHIBUYA UJK」で八面六臂というか、実質2名しかいないスタッフの一人として働いていて、翌日2本ネタ下ろしする自分の会って、そりゃ心ここにあらずでしょww

まぁ、そんな頑張りを見てる人は見てるわけで、本人枕で曰く「2日前までは20人しか予約入ってなかったのに」、結果としては連雀亭が大入り満席。これが安定してきたら、らくごカフェとか道楽亭でも自分の会できるんじゃないかなー。あるいは同格の人と定番で二人会するとか。自分で企画持ち込んでも、門前払いはされないと思うんだけどねー。動員は力なりw
いや、打ち上げそのものはあってもなくてもいい(あれば呑めて楽しいけどw)けど、連雀亭が21:15完全撤収になったそうで、そうなったら、送り出しで感想をフィードバックする時間がないから、それって、もう真打ちなって自分のスタイルの出来てる人だといいんだろうけど、遊かりさんに限らず若手とかで、自分のやった高座がどうだったのか、そりゃ人によっては的外れだったり大した知識や見識ないのに評論かぶったりするのもいるだろうけど(あー耳が痛いし胸抉られるww)、それでもそれが限られるのは、連雀亭のレゾンデートルにかかわる事でもある気がすんだけどなー、まぁそういう門限ってたいていは建物のオーナーとかの都合だから連雀亭の問題じゃないんだろうけど(,,゚Д゚)

あたしにとっての、この日の一番の収穫は、トリネタの「紺屋高尾」で始めて、高尾太夫が九蔵ではなく他の人に自分の気持ちを言うシーンが入っているのを演じているのを見られたことかな。これが遊かりオリジナルなのか、教わった人がそう演じているまま(あたしはきいたことないけど)なのかわからないけど、去年の遊雀式スペシャルで遊雀師匠が紺屋高尾演じたときにはなかった(それ以外はほぼ遊かりさんのやったのは遊雀師匠のと同じだったから、多分遊雀師匠に稽古つけてもらったと思うんだけど)。九蔵を送り出した後、店の若いのが「よろしいんですか?」と訊くシーン、そして高尾の答え。
個人的には、あの台詞で正解だったのかどうか、まだ腑に落ちてはいない。けど、醤油屋の若旦那ではなく紺屋職人だとあかした九蔵に惚れたから来年3月15日に行くという高尾太夫って、あくまで九蔵なりの男目線でのいい女でしかない。そりゃ年季明けたら女房にしてくれというんだからウソをついているわけではない。でも、昨日来たばかりの一見の客に、言ってみれば人生の一大決断、それもそれなりに贅を尽くせる生活もあるであろうに九蔵を選ぶ、その高尾太夫の「本心」を、特に女性の若いお客さんとかだと知りたいんじゃないかなー。
うん、ただ、女流だから、女性の噺家だからというのでなく。
入口が「昭和元禄落語心中」だったり「成金」だったり、あるいは遊雀師匠だったりするかも知れない、でもそうやって落語を聞くようになった今の若い女性(どこからが若い女性なのか。あなたが若いと思えば、それが若い女性なのですw)は、とはいえ現代の価値観を持って生きている。そりゃ一部のフェミやリベラルみたいに今の価値観で古典や歴史を裁いて葬るなんて言うのだと論外だが、でも、そういう現代の価値観を持つ人達が今の時代感覚で腑に落ちるように、改作まで行かなくても「再解釈」ができる噺家というのはおそらくそう多くはない。別に男の噺家でもいいんだけど、まぁ、男社会で修行した上でそこまで価値観を広げるには、相当大変だろうなーとは思う。

うん、それに縛るつもりはないけど、それが出来るのは、「三遊亭遊かり」という一人の芸人の、ちょっとやそっとでは他人が真似できない最大の武器であることは間違いないよね、多分(,,゚Д゚)。まぁ、「平林」の小僧さんみたいなショタな男の子のかわいらしさの見事さとかも違う意味で武器ではあるけどさw

ただでさえ持ちネタを増やしていくだけでも大変(遊かりさんがそうかどうかは知らないけど、自分の経験でもそうだし、遊雀師匠が去年の「たがや」の枕でも言ってたんだけど、歳とると話をまるごと身体に入れる、ほっといても口から決まり文句がすらすら出てくるようにするのって難しいというかできないんだよねーなかなか(,,゚Д゚))なのに、それを再解釈して改作したりするのは、なんというか、急だから曲がりくねって作られている山道を無視して横切ってまっすぐ頂に登るが如く急で険しくて大変だなー、とは端で見てて思うけどね(,,゚Д゚)

matuken について

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